深澤直人 『デザインの輪郭』

深澤直人さんの本 『デザインの輪郭』 を読み終えました。

たぶん、今一番人気の日本人デザイナーではないでしょうか。

私は、大学で建築を勉強してきて、
特に建築や都市のデザインに関わる研究室にいました。

建築って実に幅広い分野の学問がある。
理系っぽいのは、力学とか材料の性質に関すること、環境に関わること。
デッサンの授業もあれば、歴史の授業もあった。

建築は絵画や彫刻のような芸術ではないが、
後者のような数字で語れない部分があるからおもしろい。

「デザインって何だろう」って考えるとどんどん分からなくなる。
先生は「そんなことは死ぬまでにわかったらいい」と言った。

テレビ番組でよくある、建築家が設計した家に、施主が涙することと、
デザインされたものを使っていて、ふと、良さに気づくことは同じで、
結果としてはそういうのが良いのだろうけど、
じゃあ、どうやったら作れるの?

この答えがデザインという行為そのもので、
モノを通して感動を与えるということ。

この本で、深澤直人氏が八ヶ岳に買った土地に自分の手で小さな家を建て、
生活を始めたということが書かれています。
生活のためにモノをつくるという、究極の経験をしてこそ生まれるものってあるんだなーと思う。

また、この本では、深澤直人氏が考えるデザインとは何か、
多くのキーワードから学ぶことができます。
デザインが何かということは簡潔に言えるものではなく、
数え切れない側面があるということ、そのものです。

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